遠恋~君と恋をした日々~

「なんであんなことに・・・」



最初は、見るだけでも吐き気がした


あの時の恐怖を思い出して、何度も何度も泣き叫んだ


あの頃からお兄ちゃんはうんと優しくなったんだ


お風呂からあがって、リビングへいかず自分の部屋へも行かず、お兄ちゃんの部屋へと足を進めた


―――コンコン


「はい?」
「お兄ちゃんあたし・・・」


ドアを開けて、お兄ちゃんに近づいた


「あの、ここで寝てもいい?」
「良いよ。寝な」


最近、お兄ちゃんの部屋で寝るのが当たり前になってきている


こんなんじゃ駄目、ちゃんと自分の部屋で寝なきゃいけないのに、夜になるとあの人が来そうで怖い


どこまであたしを怖がらせるのだろうか・・・


もう、うんざりしている


「おやすみなさい・・・」
「おやすみ咲希」



いまさらながら、お兄ちゃんとあたしは5歳差だ