遠恋~君と恋をした日々~

お風呂はやっぱり、気持ちい


あたしにとって一番休まる場所は、お風呂だ


鏡の前で、自分の体を見るのは嫌いだ


こんな・・・こんな、傷だらけの体


あたし、こんな体になりたかったわけじゃない


でも、この一生消えない背中の傷と背中の根性焼き


一生消えないだろう


も―いたくないけど、でも今でも思い出すあの悪夢の日を・・・


あの人が変わってしまった日、あたしはいつものようにあの人に話しかけていた


『パパ!咲希の話し聞いてるの?』


知らなかったんだ。あの時リストラされたんだなんて


『うるせぇ!あっち行けよ!!』


あの人の怒鳴り声にあたしは泣いていた


小さい時だったから、いきなり変わってしまった父へのショック


一生消えないあの時の恐怖


どうにかなってたんだ。あの人


泣きじゃくるあたしを黙らせるため、火のついた煙草をあたしの背中にくっつけたんだ