十五の詩




「性別ではないと?」

「はい。精霊は生殖による生態系を持ちません。性質的に男性的、女性的という言い方はできますが、男性的な性質であるから性に対する考え方が人間の男性のようであるかというと、違うこともあるのです」

「……。ユリエは暴力をふるう者についてどう考えますか?」

「相手の同意なき力の行使は、あってはならないと。ですが、人の世界にはそれが通用しないことも往々にしてあります。人には人の営みがありますから」

 ユリエはそこまではっきり言葉にして「どうなさいました?」と気遣う。

「守護精霊である私の性質はマスターの本質にも繋がるものはあるはずです。それを私にあえて答えさせるというのは、マスターはご自分に不安がおありですか?」

「不安があるとするなら…自分が傷つけはしないかということだけです」

「……」

「暴力をふるうような者はゆるせません。でも、自分がそのような者になりうる可能性もある。私は男なので」

「それでよろしいのでは?それがマスターの愛し方なら。それをイレーネ様にお話したらいいだけのことだと思います」

 ……。

 すっと心にあった靄が晴れた気がした。

 わからなくなったら伝えたらいい。相手のことも受けとめることが出来ればいい。



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