十五の詩




「お嬢様がお倒れになっていることを感じとって、訪れたとか」

 アメリアがそう話すと、イレーネの表情に嬉しそうな笑みがこぼれた。

「そう…。ありがとう、ユリエ」

「大丈夫ですか?私は下がりましょうか?」

「うん。何かあったら呼ぶ。ありがとう、アメリア」

 アメリアがいなくなりイレーネとユリエはふたりきりになった。

 ユリエはイレーネの手をとり、ベッドの脇の椅子に座る。

「イレーネ様…。何かございましたか?マスターが同調連鎖でイレーネ様の状態を感じとったようなのですが」

「うん…。少し…怖い夢を見てた」

「──」

「ユニスは大丈夫だった?同調連鎖だったならユニスもつらかったよね」

「マスターは大丈夫です」

「そう…。良かった」

 精霊ユリエは主のユニスを彷彿とさせた。まったく同じ姿形というわけではないが、雰囲気がユニスを思い出させるのだ。

「守護精霊は主人に似た姿を持つと言われているけど本当にそうなんだね」

 イレーネが和らいだ表情でいるのを見て、ユリエは「あ」と思い出したように言った。

「そういえば、イレーネ様にはマスターのお姿が安心されるかもしれませんね」

 言うなり、ユリエの姿が柔らかく輝きユニスの姿に変わった。

 夜間着を着たユニスが手を握ってくれている──。

 イレーネは頬を染めた。

「ユ…ユリエ…。変な気分になるからやめて」

「ふふ。落ち着かれませんか?」

「……。緊張する」

「では元の姿の方が?」

「……」

 間があって、イレーネは「そのままでいて」と答えた。

「──本当はユニスにそばにいて欲しかった」

「──」

 はにかんだように語るイレーネが、ユリエから見ても貴重に感じられた。

 ユリエは、主に呼びかけるように言った。

「マスター?イレーネ様が可愛らしくて仕方がないのですが」