「リオピアからフォーヌに直接働きかけることはフォーヌの警戒を強めてしまう可能性があるので、まずアレクメスからフォーヌに調査を派遣できないか、フィノ様に話してみます」
「はい」
ルナの表情にわずかに光が射した。ユニスもそれを見て安心すると、次の話に移った。
「あなたの今夜の宿先と、今後住む場所を手配しましょう」
「あ…。私、働きます。何もかもお手をわずらわせてすみません。出来れば働きながら住める場所をお願いしたいのですが」
「働くといっても…。学びたいお気持ちは?私とそう変わらない歳なのでは?」
「歳は十四です。学ぶのはその気になれば働きながらでも学べますから」
ルナの気丈な言葉に、ユニスの表情にふっと笑みがこぼれた。
「あ…。私、変なこと言っていますか?」
「いえ…。もしかしたら、あなたにとてもいい条件の家があるかもしれません」
「え…本当ですか?」
「あなたは弓をお使いになられるのですか?先ほどの装いは狩りに出る時のものですよね」
「はい。弓と小刀ならよく使っていました」
「弓の腕を生かした仕事はどうですか?」
「はい。あるなら是非」
「学ぶならどの方向性の学問にご興味が?」
「とにかく本が読みたいです。読めるような本なんて限られていたので」
「そうですか」
ユニスはいいことでも思いついたような様子だ。
「交渉してみましょう」
「交渉?」
「あらゆる書物が存分に読めて、弓の腕を生かせる家というのは、ハリスモンドでは限られています」
その候補にユニスの脳裏にまず最初に思い浮かんだのが、スフィルウィング家だった。
*


