十五の詩




「リオピアからフォーヌに直接働きかけることはフォーヌの警戒を強めてしまう可能性があるので、まずアレクメスからフォーヌに調査を派遣できないか、フィノ様に話してみます」

「はい」

 ルナの表情にわずかに光が射した。ユニスもそれを見て安心すると、次の話に移った。

「あなたの今夜の宿先と、今後住む場所を手配しましょう」

「あ…。私、働きます。何もかもお手をわずらわせてすみません。出来れば働きながら住める場所をお願いしたいのですが」

「働くといっても…。学びたいお気持ちは?私とそう変わらない歳なのでは?」

「歳は十四です。学ぶのはその気になれば働きながらでも学べますから」

 ルナの気丈な言葉に、ユニスの表情にふっと笑みがこぼれた。

「あ…。私、変なこと言っていますか?」

「いえ…。もしかしたら、あなたにとてもいい条件の家があるかもしれません」

「え…本当ですか?」

「あなたは弓をお使いになられるのですか?先ほどの装いは狩りに出る時のものですよね」

「はい。弓と小刀ならよく使っていました」

「弓の腕を生かした仕事はどうですか?」

「はい。あるなら是非」

「学ぶならどの方向性の学問にご興味が?」

「とにかく本が読みたいです。読めるような本なんて限られていたので」

「そうですか」

 ユニスはいいことでも思いついたような様子だ。

「交渉してみましょう」

「交渉?」

「あらゆる書物が存分に読めて、弓の腕を生かせる家というのは、ハリスモンドでは限られています」



 その候補にユニスの脳裏にまず最初に思い浮かんだのが、スフィルウィング家だった。



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