十五の詩




「要求というのは?」

「俺がアレクメスにいるということを伝えろと。名はリュールだと」

「リュール…」

 ユニスの目が潤んだ。ルナは少し間をおいて、リュールについて話した。

「私がこの写真をリュールに見せて、この写真の人物はリオピアのある方かと確認をした時、リュールはすぐにわかったようでした。もし知っていなければ、リュールが私をアレクメスへ連れてくることはなかったかもしれない」

「──」

「リュールは何故か、敬称はつけるな、家の名前も出すな、と言っていました。おそらく、そのことは伏せた方が写真の方のためにはいいという事情があるからだと私は思ったんです。だって私もその方がアレクメスにいるとは知らなかったから」

 ご本人ですよね?とルナはユニスに訊いた。ユニスは肯定した。

「はい。そのことは伏せてフェセーユにいます」

 ユニスとリュールの間にどういう事情があるのかはわからなかったが、少なくともユニスはユニスなりの、リュールはリュールなりの想いで、お互いのことを気にかけていることは、ルナの目にも見てとれた。

「──リュールのことを伝えに来てくださって、ありがとうございました」

「……。リュールというのは──」

「はい。弟です」

 すると自分はリオピアのふたりの王子に会ったことになるのだ。

 ルナはよくわからない心持ちになった。

 ユニスやリュールにしてみれば、フォーヌの人間は敵だと見てもおかしくはないはずなのに──。

「あの…ユニス?」

「何でしょう?」

「私はフォーヌの人間です。フォーヌがリオピアにどんなことをしているのかは承知しています。でも…リュールもあなたも私を人間として扱ってくれた。こんなことを申し上げるのは失礼かもしれませんが、何故ですか?迂闊ではありませんか?」