十五の詩




 ユニスと一緒に紅茶店に入ったルナは、椅子にかけると改めて礼を言った。

「ありがとうございます。初めてお会いした方にこんなに良くしていただいて…」

「フォーヌの方だと仰られていましたね?」

「え?はい」

「あなたからは確かにフォーヌの気が感じられます。偽りを言うような方ではないと思いました」

 ユニスは自分の気を感じとった上で気遣ってくれたのだ。

 ルナはユニスが信じてくれたことが嬉しかった。同時に不安も派生する。

 ユニスがリオピアの王子なら、フォーヌの民である自分に不信感を持っていたとしてもおかしくはないことが想像出来たからだ。

 ルナはまわりくどい話し方はせず、単刀直入に切り出すことにした。

「あの…。この写真を見てもらえますか」

 ユニスの前に写真を出して見せる。ユニスはルナからそれを受け取ると表情をかたくした。

 ルナは話し始めた。

「それは、私をある理由で連行しようとした男たちが落として行ったものなんです」

「連行ですか?」

「はい。ある人物にならないかと。うまくすればお前は一国の王だと」

「──」

「どうかしている者達の言っていることです。私は薬漬けにされる、と思いました。それが嫌で国を出ようと思ったんです」

 そこまで話して、ルナはユニスの表情を窺った。

「この話…続けても大丈夫ですか?」

「はい」

 ユニスは頷いたが表情は深刻なものになっていた。

「私は国境を越えることにしました。リオピアに入ればこんな連中からは逃れられる。そう思ったんです。でも空を行く途中である龍騎士に会いました。龍騎士は、国境付近は危ないし、お前の髪の色ならリオピアはつらいところだ、アレクメスに行けと助言をしてくれました。私が海を越えるお金もないと話すと、龍騎士は私を連れアレクメスまで飛んでくれたんです」

「龍騎士というのは、さっきの黒髪の…?」

「はい。彼は何も求めては来ませんでした。仕事だと言い渡した、たったひとつの要求以外は」