十五の詩




 「よくお似合いですよ」との店員の言葉。ユニスも嬉しそうに言った。

「とても綺麗です」

 ルナは聞き慣れない誉め言葉に気恥ずかしくなったが、「ありがとうございます」と礼を述べた。

 店を出てふたりは歩き始めた。





「──あ…」

 講義を終え執事の車に乗っていたイレーネは、優しい光の色を目の端で捉え、彼に気づいた。

(ユニスだ)

 綺麗な金の髪。

 ──と、隣りを歩く美少女。誰だろう?

 チクンとした痛みが走った。イレーネはふい、とふたりから目を逸らすと胸に手を当ててみる。

(──どうしたんだろう)

 ヴェインラックが穏やかに尋ねる。

「イレーネお嬢様?どうかなさいましたか?」

「ううん」

 それきり口を閉ざし、手に目を落とす。

(そうか──)

 静かな悲しみの色が広がった。

 ユニスが他の女性と歩いていることも、有り得ることなのだ。

 私に許婚者のヴィンセントがいるように。



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