「よくお似合いですよ」との店員の言葉。ユニスも嬉しそうに言った。
「とても綺麗です」
ルナは聞き慣れない誉め言葉に気恥ずかしくなったが、「ありがとうございます」と礼を述べた。
店を出てふたりは歩き始めた。
「──あ…」
講義を終え執事の車に乗っていたイレーネは、優しい光の色を目の端で捉え、彼に気づいた。
(ユニスだ)
綺麗な金の髪。
──と、隣りを歩く美少女。誰だろう?
チクンとした痛みが走った。イレーネはふい、とふたりから目を逸らすと胸に手を当ててみる。
(──どうしたんだろう)
ヴェインラックが穏やかに尋ねる。
「イレーネお嬢様?どうかなさいましたか?」
「ううん」
それきり口を閉ざし、手に目を落とす。
(そうか──)
静かな悲しみの色が広がった。
ユニスが他の女性と歩いていることも、有り得ることなのだ。
私に許婚者のヴィンセントがいるように。
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