十五の詩




 人混みはあまり好きではないユニスは、人通りが少ない森林公園を通って行った。常緑樹の緑が綺麗だ。

 ──と、目の前にバラバラと数名の不審な男が躍り出た。

「ユニス・セレクヴィーネだな?」

「──!!」

 囲まれた──!!

 身体に触れられる前に風魔法を発動させる。竜巻のような風が起こり、男たちはなぎ倒された。

「こいつ──!!」

 ユニスは一気にその場を駆け抜けた。男たちは追うが魔力を行使しているユニスとは力の差が歴然としている。速い。

 能力の高い魔導士を仕留めるには最初の一打でダメージを与えられないと厳しいのだ。

 だが、襲う側も何の策もなく襲っているわけでもない。

「追え!魔力を使わせろ!魔力で体調が不安定なら奴の身体には負担になる!」

『──マスター』

 ユニスの身辺に異変を感じたのか、姿はとらないまま、ユリエが問いかけてきた。

『何事ですか?私が出ましょうか?』

 肉体を持たない精霊は圧倒的に強い。肉弾戦なら傷らしい傷を与えられないからだ。しかしそれは主がその時精霊までを行使できるだけの力があるか否かにかかっている。

 間違えば、力を使い過ぎて主が死に至ることもあるからだ。

「大丈夫。ユリエはそのままでいてください」

『マスターの負担にならないように力を加減して相手になればいいのでは?私が囮になります』

「精霊を捕る者もいるんです」

 ユニスは心配をしてくれているのだ。ユリエは胸を痛める。

『ですが、マスター』

「──何をしている!?」

 閃光のように少女の声が空間を切り裂いた。

 ユニスと男たちとは驚いてその声の方を見る。

 馬に乗る少女──イレーネ・スフィルウィングがユニスのところにたどり着いていた。