十五の詩




 リオピアは旧くから「金髪碧眼の者」を国の根幹を揺るがすしるしとして、畏怖しつづけているという現状があった。

 アルビノでもない、原因がわからないと医師には言われ、家族は困惑した。

 が、その外見の特異さを除いては、ノールは何ら普通の子と変わらないように見えた。

 ノールが一歳になる頃だろうか。兄弟がノールの「普通ではない」様子を目にする。

 昼寝の時間にノールの様子を見に行ったら、ノールは眠ってはおらず、じっと壁の上の方を見て、何かに反応しているようだったのである。

「ノール」

 兄はノールを呼んだが、ノールは上を仰いだまだ。誰かいるのか?

 すうっとノールの上に柔らかい光が降りてきて、とどまった。光は祝福するようにノールに降り注ぎ、そのまま「誰かいる気配」は何処かに行ってしまった。

 ノールはやがて兄の方を見た。

 その光に動じていない表情は、それを理解しているようにも見えた。

 その日を境に、ノールの周辺では小さな異変が起こり始めた。

 物が壊れたり、壊れていたものが直ったり、その地では実を結ばない植物が結実したり。

 それはことごとくノールの近くで起こったので、周囲の人間はだんだんノールに畏怖を感じるようになったのである。

 ノール本人は早熟とでもいうのか、その年齢の幼児には似つかわしくない落ち着きを帯びて成長し、そのことも家族には気味悪がられた。