十五の詩




「聞け。リオピアは包囲された」

 脅しとも取れるようでいて、何処か懇願にも似た声が聞こえてきた。

「その髪、リオピアの王子か」

 まったくの悪意そのものというわけではないそれは、肉声。生身の人間の声だ。

 ユニスも攻撃的な気を緩め、問いかけた。

「そうです」

 声は語った。

「リオピアはよい国だ。資源も豊かにある。が、それが昨今内部からおかしな動きが見られるのだ。王に伝えよ。内部からリオピアを裏切る民が出ても、王は民を信じるかと」

「内部から…」

 ユニスは言葉の意味の全部をわかっているわけではなかったが、声の語ったニュアンスは感覚的に理解した。

 父上が信じることが出来ないような民がいる。それでも信じることが出来るかと。

 そう言っているのだ。

 ユニスは「伝えます」と答えた。

「父上に伝えるのが私の務めなら」

 声が聞こえなくなる。

「つけますか?」

 従者のひとりがファスティーナに訊く。

 ファスティーナは止めた。

「この人数で深追いは危険です。小さな糸口が大きなものにも繋がっているかもしれません」

 ファスティーナの判断に、ノールも頷いた。