十五の詩




 ユニスの身体が光を帯びた。

 否、光りはじめたのはユニスの身体だけではなかった。

 塔の階段の方でユニスと同じ種類の光が、道を示すように明るく照らし始めた。

「ファスティーナ様…」

 ノールがその光に、ファスティーナを見る。ファスティーナは力強く言った。

「ユニスに応える光があるわ。行きましょう」

 階段を上り、やがてユニスはあるひとつの牢の前で足を止めた。

 捕らわれ人は傷つき眠り込んでいるように見えたが、あたりが明るいことに気づいたのか、目を開けて不思議そうな表情になった。

 ユリエはユニスに行使した力を解いた。ユニスは見えるようになり牢にいる者に声をかけた。

「セイザーですか?」

「…はい」

 セイザーは答えた。

 ユニスに笑みがこぼれる。

 セイザーの身体が光り、気がつくとセイザーは牢の外──ユニスの目の前にいた。

 二度目の同調連鎖だ。

 もし彼がセイザーでなければ、頑丈な格子に触れもせず、その身体が越えることはなかった。

 ユニスはセイザーに手をのべて傷を癒すと、言った。

「あなたとドミナントは無実です。宮廷へ参りましょう」

 セイザーは狼狽え、幼いユニスに問いかけた。

「宮廷に、とは…?ドミナントは無事なのか?」

 ユニスは頷く。

「あなたが宮廷に赴いてくれるのなら。あなたとドミナントがこうして捕まっている裏には、見過ごしてはおけぬことが隠されている、と父上は話していました。そのために私があなたの声を聴くためにここへ差し向けられたのです」