十五の詩




「同調連鎖?ユニスが罪人に?」

「罪人だから人の心がないということではないはずです。子供の心は無垢です。マスターがその者に何らかの共感を覚え助けたいと思ったから、周りの者や王様に訴えたのだと思います」

 ユリウスはユリエの言葉にしばらく考え込んでいたが、ユニスに訊いた。

「ユニス、そうか?打ってはならぬ者がいるのか?」

「はい」

 ユニスは短く答えた。

 前代未聞のことである。魔力が高ければ幼くても同調連鎖をする子はいるが、それは自分に近しい感性の者に反応をするのが普通である。

 それが罪人だとは──。

 ユリウスはユリエに訊いた。

「同調連鎖を鎮める手立ては?ユニスの言う通りにする以外にはあるのか。このようなことで罪人の刑を軽くするようなことにでもなれば、国の政は成り立たなくなる」

「刑を一時中断し、その者に話を聞いてみるのがよろしいかと。同調連鎖が派生したまま放っておくと、マスターの心身も危うくなります」

「王様…」

 従者たちの反応もどうしていいかわからぬ様子である。

 ユニスの心身を考えれば、一刻も早く手を打った方がいいのだが──。

「やむを得ぬ。まずはユニスを連れて、囚人の塔に行く。その後の対処の話はそれからだ」

「お…王様」

「ユニス。誰がそなたの心に響いているのか、近くまで行けばわかるな?」

 ユニスは頷いた。

 ユリウスはユニスに「着くまで眠っていなさい」と言った。





 囚人の塔が近づいてくると、ユニスが目を開けた。

「ユニス?」

「──父…上…」

 ユニスがゆらりと顔をあげる。

 その次の瞬間、ユニスの身体がまばゆく光った。ユリウスの腕からユニスの身体がスッと消える。

「──ユニス!?」

 ユリウスも従者たちも突然のことに驚いたが、ユリエが恐ろしい速さでバッと空に飛んだ。

「先に行きます!」

 駆け抜ける光の筋。守護精霊は主の居場所は決して見失うことはない。ユリウスたちもその後を追った。


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