十五の詩




 ユリウスは紙紐で髪を軽く結うと、着物に紺地の絣羽織りをはおった。

 こういう着物の時は公務外で外に出る時だ。

 ユニスが何処に行くのだろうかと既に目を輝かせている。

 ユリウスは笑った。

「何処に行くと思っているのだ?」

「出かけないのですか?」

「それよりそなたはその格好で出かける気か?眠っていてもよいが」

 そう言われてユニスは慌てた。

 ユリウスは「慌てずともよい」とユニスに着物を着せてやる。

 着替えたユニスを抱き上げると、ユリウスは数名の従者を連れ宮廷を出た。



 ユリウスが外に出ようというのにはユニスの言っている原因を突き止めようという意図があった。

「ユニス?どうした?」

 やはり何者かの気を感じとっているのだろうか。外に出てしばらくの間は嬉しそうだったユニスは、やがてしがみついてきた。

 ユリウスはユニスの状態が悪くならないよう護りの魔法を行使する。ユニスの守護精霊の名を呼んだ。

「ユリエ。私の力を使え。姿をとれるか」

「はい」

 幼いユニスでは会話が難しいと判断したのだろう。ユリウスはユリエに話を聞くことにした。

 精霊ユリエも幼くはあったが、精霊であるためか、ユニスの守護精霊としてそばにつくようになった時には既に成人の人間と会話が出来た。

「ユリエ。ユニスの感じとっているものは何だ?」

 ユリエはユニスにふれると、明瞭に答えた。

「王様。最近捕らえられた者で拷問にかけた者がありますか?マスターはその者に同調連鎖をなさっている可能性が。打つな、というのは鞭のことかと」