十五の詩




 次にユニスが目を開けた時は、そこは見慣れない場所だった。

(ここは…?)

 全身の痛みがひいていた。

 首をめぐらせ、そばで眠っているのがユリウスだと気づく。ユリウスの寝室であるらしかった。

 ユリウスは帝冠をはずし普段着ているきらびやかな衣服も着けてはいない。

 ユニスの目にそれは新鮮に映った。

(父上が治してくれたのだろうか)

 幼心にそう感じユリウスのそばにいられることを嬉しく思った。

「父上…」

 ユニスが声をかけると、ユリウスは目を開けた。

「良くなったか」

「はい。父上が…?」

 ユリウスは笑みを浮かべただけで、何も言わなかった。

「夢を見ていたのか。打つなと言っていたが」

 ユニスは時が止まったようにユリウスを見た。

「はい。──打たれていました」

「そなたが打たれていたのか?誰に?」

「私ではありません。父上、打たないでください」

「私が打っていたのか?」

「違います。でも打たれていた人は父上を呼んでいました」

 ユリウスは怪訝そうな表情になる。

「──ユニス、それは本当に夢か?そなたはさっき木の枝に座っていた時にも同じことを言っていただろう」

 ユニスは問われて困った様子になった。

 無理もない。先ほどまで具合をわるくしていた幼い子供に説明せよというのが難しい話だろう。

(だが打たれているというのは…)

 王の救いを求める誰かの心を感受したのだろうか。



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