彼女は毎晩僕のことを見つめる。

僕も彼女のことを見つめ返す。

女の子の顔を、こんなにもずっと見つめ続けることなんて、今までの人生にはなかった。

幸せな時間だった。

彼女が僕によこす、優しい視線が好きだった。


そうだ、僕は、彼女のことを好きになってしまっていた。

しかし目玉でしかない僕には、文字通り、手も足も、出せない。