抱き合ったままで口喧嘩を続けた私たちを、他の3人は無言ながらさぞ奇妙に感じていることだろう。
…いやいや、それよりも。相も変わらず腕を解かない勝手なロボット男といえば、またフッと鼻で笑ったからさらなる悔しさ倍増だ。
ああもう!最後の最後まで、いったい何なのだろう?ムダな疲労感と脱力感を衝撃の事実にプラスしただけではないか。
何も解決していないクセに、この男との距離に安心感を覚えている時点でもはや重症モノだ。
改めて考えてみると…、私の中で日を追うごとにこの身勝手男の存在が日ごとに大きくなっている。
明らかな嫌味混じりの溜め息を躊躇なく吐き出せば、私をまだ離そうとしないロボット男がそれに小さく笑った。
「それを解決するには、早く行きますよ怜葉さん」
「…意味分かんない、」
まさに言葉のとおりだ――何の話もしていない中で解決も何もないクセに。
思いの外ぶっきらぼうに響いた声色は、とかく素直な感情そのままに呆れているらしい。
「それなら、二度目は彗星のこと信じてあげてよ」
「…さ、とるくん?」
すると間合いを見計らったように、ずっと隣で窺っていた悟くんの爽やかな声音には目を丸くするばかり。
つられて意識が彼の方へと向けば、クールな面持ちながら綺麗に笑っているから疑問ばかりが募る。

