ガチャ




部室のドアが開いて、亮介くんが顔を覗かせた。





「綾。まだ掛かりそう?」




「あ!ううん、もう帰れる」





亮介くんはもう、あたしを呼び捨てで呼ぶのに抵抗がなくなった。





あたしのことは呼び捨てだけど、黎のことは名字で呼んでる。





だから、あたしが特別みたいで嬉しい。




「松井~綾のこと、ちゃんと送ってけよ~?くれぐれも、かわいい綾を怖い目に遭わせないように♪」




「橋本先輩、大丈夫ですよ。俺、男ですし、女の子守るのは当然です」





キュン




守るって言葉に心打たれた。




あたしが惚れてく一方だ…