なんだ…

俺は、ゆっくりと後ろを向いた。


北「先生…」

『北俣…』

北「私、新型ウイルスの感染者なんです。それだけを言いに来ました。」

『あぁ…』

北「もっと驚くかと思いました。」

『あぁ…うん。』

今はそれより、結葵が、見えたことが気になる…

北「私もうすぐ死ぬんです。ですから、一つ言います。」

なんだよ… 早くしろ…
俺は知らぬ間に腕組みをして足でカツカツと床を叩いていた。

パシッ


俺の頬に痛みが走った。