初恋は…お医者さんだったはずなのに。


とうとう意識が少しずつ遠のいていく。

最後の力を振り絞り、指を動かし、口を動かした。

竜太先生が気づき、聞いてくれる。

『お母さん…』

そう言うと、竜太先生は、お母さんを呼んでくれた。

お母さんも先生と同じように聞いてくれる。

『今まで…ありがとう…また何十年か後に…天国で…会おうね…』

お母さんは、涙をボロボロ流して聞いていた。

お母さんあなたまで死んでしまうよ…