お昼休み、数学教師用の指導室。 「……ったく、おまえ……」 綺麗な顔を、これでもか!! と歪めた碓氷先生が、イスの背に寄りかかりながら、白い煙をふぅーっと吐き出す。 「毎日毎日、俺のところに来るな」 「だってぇ……」 「だってぇ……じゃねぇだろ? おまえ、一緒に昼飯食う友達もいないのかよ」 碓氷先生は、授業中には使うことのない乱暴な言葉で、あたしの顔を真正面から睨みつけた。