オロオロする私と、それを無言で見下ろす宮崎航太。
少しだけ二人の間に沈黙が流れたあと――。
「うそ」
まるで私をからかうような、相変わらず飄々とした彼の声が、頭上から聞こえた。
「……え?」
「嘘だよ!」
「は?」
「だから、嘘。そんな困った顔すんな!!」
彼はそう言って、さっきまでの真剣な表情を、どこか勝ち誇ったようなものに変える。
「まぁ、してくれるなら喜んでしてもらうけど。今回の相手は格上だから、多分難しいし」
「……」
「もっと条件のいい時のために、取っとくことにしよう」
そうしていたずらっ子のように笑うと、すっかり置いてきぼりを食らっている私のおでこを“べーーーし!!”と叩いた。

