きせき


日付は今週の日曜日になっていて、「よかったら観に来て」と差し出された彼の手から、それをそっと受け取る。

「行っていいの?」
「てゆーか、来て欲しいし」

楽しそうに笑う彼の言葉に、自然と笑みがこぼれた。

「ありがとう! 絶対観に行く!」
「うん。待ってる」

“待ってる”――彼の言葉は、本当に真っ直ぐだ。
それはとても眩しくて、私の正直な心臓がまた大きく脈打った。

きっとまた顔が赤い。

慌てて顔を背ける私の頭上で、彼がフーッと息を吐き出す気配がした。

まるで緊張を振り払うようなそれに、何故か私まで少し緊張して……。

「――ねえ、美青サン」

強まった風が河原の草をガサガサと揺らして、少しだけトーンの変わった彼の声に、戸惑いながら顔を上げる。

彼は私の目を、真っ直ぐに見据えたまま、静かに口を開いた。

「試合に勝ったら、こないだの続きさせて」

“続き”って?

「今度は、兄貴にも邪魔させないし」
「……っ」

そこまで言われて、やっとその意味を理解した私の顔は、絶対に今までで一番真っ赤だと思う。

「ダメ?」

それって、キスするってこと……だよね?

「えっと……っ」

私、思いっきりうろたえてるけど、普通はこうなるよね!?

だって、どうしたらいいのか分からない。