何か気に障ることを言っちゃったかな?
突然の様子の変化に少しの不安を覚えながら、口にできる言葉を必死で探す。
そんな私に向けられたのは、ゆっくりと顔を上げた彼の困ったような笑顔だった。
「美青サンには“宮崎航太”として見て欲しいんだけど」
「……え?」
「だから、もちろん俺はサッカー大好きだから、サッカーをしてる俺は見て欲しいと思うけど」
「う、うん?」
「雑誌に載ってたり、メディアが流す俺のことは別に知らなくてもいいよってこと」
言葉の意味がなかなか理解できなくて混乱する私に、宮崎航太はそう言葉をつけ加えた。
――“宮崎航太として”。
彼の言葉に、また胸が大きな音を立てたけれど、それに気づかれるのが恥ずかしくて「うん」と小さく呟いた私は、やっぱり俯いてしまう。
「じゃー、第一弾。はい、どうぞ」
「第いち……え?」
よくわからない言葉と共に、目の前に差し出された何か。
それは手の平よりも、少し大きいサイズの封筒だった。
「今週の日曜、また試合があるんだよ」
「試合?」
「おー。つっても、親善試合みたいなもんだけど。もしよかったら、観に来て」
開けた封筒の中から彼が取り出したのは、試合のチケット。
「いいの?」
「もちろん。二枚あるから、もしよかったら友達とか、ミーハーゴコロ全開な妹さん?とかとどーぞ」
そう言って、心底楽しそうに笑う。

