きせき


「あんた、まさか……」
「えっ!? な、なに!?」
「彼氏できたとか!?」

私の目の前まで、その体を乗り出すあけちゃんと、超至近距離で見つめ合う。

「ち、違う!! そんなのいないよ!!」

一瞬動揺したけれど、実際に彼氏なんてできていないのだからと、手をブンブンさせて速攻で否定の言葉を口にした。

すると、あけちゃんは、「だよね。うん。サヨとも、それはありえないって言ってたんだ」なんて、さっきの私よりもさらに速攻で、サラリとそう言ってのけた。

友よ。
もう少し、歯に衣を着せてくれないだろうか。

私も、落ち込む事もあるのですよ?

「じゃー、何でパタパタやってんの?」
「ん~……。何で、だろうね?」

上手く答えられそうになかった私は、誤魔化すように、笑顔を浮かべる。

「何だそりゃ。まぁ、怪しい出逢い系サイトとかに登録するのだけはやめてね」

怪しいサイトって、なにその斬新な発想。

「美青がそんなのに登録するくらいなら、私が合コン開いてあげるから」

あけちゃんのワケのわからない発言に、言葉を返そうとした瞬間、

「おう! 遅れて悪かったな!」

クマのような教授が講義堂に現われて、結局その会話は中途半端なまま打ち切りになった。