きせき


頬に触れた手のひらと、おでこをくすぐった前髪。

それに、逸らすことを許してくれないあの真っ直ぐな瞳。

それを思い出すと、とにかく胸がギューッとなって。

「……苦しいかも」

私の鼓動は、知らない間にまた速くなる。

――でも。

「何か、住む世界が違うよね」

小さくそう呟いて、少しだけ重くなった心を隠すように、ゆっくりと瞳を閉じたんだ……。