「ふぅー……」
気持ちを落ち着かせるように溜め息をひとつ吐き、玄関を開けて家に入ると、そこにはニコニコしながら出迎えてくれたお母さんの姿があった。
一瞬、外でのやり取りを聞かれていたのではと焦ったけれど、特に何も言わない彼女にホッと胸を撫で下ろす。
「おかえりー! 随分遅かったのね。ご飯は?」
その一言に、なぜかフワフワしていた気持ちが一気に現実に引き戻された気がした。
「ごめん。何かちょっと疲れたから、もう寝ようかな」
そう返事をして、ちょっと唇を尖らせるお母さんをそのままに、足早に階段を上がると、自分の部屋に駆け込んで、ベッドにパタリと倒れこむ。
「はぁ……」
今日は色んなことがありすぎた。
ベッドに仰向けになり、瞼を閉じて額に手をあてる。
「……」
そのまま何度か深い深呼吸を繰り返しているうちに、ウトウトしてしまって……。

