きせき


するとそれを聞いたお兄さんは、一瞬驚いた顔のまま停止して、

「えっと……。ってことは、あいつ、まだほとんど話したこともない美青ちゃんにキスをしようとしたわけだ」

何かを考え込むように、視線を少し上に向けながら、そう口にした。

「キッ……!!」

なっ!!
なに言ってんのこの人!?

そうだけど、事実なんだけど!!
そこには触れられたくないのが、乙女心ってやつで!!

なのに、そんな私を気にとめることもなく「やっぱお仕置きして正解だったな」なんて言いながら、ひとり頷いている。

お兄さんの発言に動揺しまくりの私を、「あ~、いいから、いいから。気にしないで」と制した後――……。

「いや~……そっか、そっか!! ははっ! マジかよあいつ!!」

すっかり置いてきぼりを食らう私を尻目に、思いっ切り大笑いし出したのだ。