きせき


「――……っ!」

てゆーかっ!!

見られた!!
見られたんだった!!

お兄さんに、あの場面をっ!!

「あっ、あのっ!! ごめんなさい!! えっと……!!」

何故か大声で言い訳をしようとする私を見て、“あはははっ!”と楽しそうに笑うと、彼はその目を細めて今度は優しく頬笑む。

「大丈夫だよ、最初から見てたから。弟が一方的にやったことだし、美青ちゃんが謝ることじゃない」

そ、そうなんだ。
最初から見てたんだ。
それなら良かった。

――……ん?
“最初から”?

「……」

違う!! 笑顔に騙されて、普通に流すところだった!!

最初ってどこ!?
ねぇ、どこから見てたの!?

もうやだ!!
恥ずかしすぎる!!

「あははははっ! 美青ちゃん、顔真っ赤」

恥ずかしすぎて、顔を両手で覆った私を見て、呼吸が乱れるほど笑ったお兄さんだったけれど、

「弟にも、少しはチャンスありそうかな?」

赤信号で停止した車の中、どこか“お兄さんの表情”を浮かべ、人の反応を楽しむように私の顔を覗き込んだ。