きせき



――数分後……。

私の目の前には、ぐったりと項垂《うなだ》れる宮崎航太と、誇った顔のお兄さん。

「さっ! 航太へのお仕置きも済んだことだし」

そう言うと、お兄さんは車の助手席側に回り込んでドアを開け、「美青ちゃん、乗って。送るから」と、私に向かってにっこりと微笑んだ。

「あ、でも……」

思わず、ぐったりする宮崎航太に視線を投げる。

すると宮崎航太は、ちょっと気まずそうに苦笑して。

「今日はありがと。あと、ごめん。後で連絡するから」
「う、うん」

オドオドと頷いた私に目を細め、「わりーな、兄貴。美青サン頼むわ」とお兄さんに向かって手を上げた。

「おー、わかってるよ。お前はちゃんとメニュー終わらせろよ」
「わかってる」

そんな会話を交わすと、宮崎航太は「またな」と私の頭にあの時のようにポンっと手を乗せて、スタジアムに向かって歩いて行った。