きせき


数分――いや、数十秒後。

「おー、じゃーヨロシク」

通話を終えてスマホをポケットにしまいかけた宮崎航太は、諦め悪く「ホントにひとりで平気だから!!」とくり返す私を思いっきりムシして、「あ」と何かに気付いて声を上げた。

「“あ”?」
「スマホ」
「スマホ……がどうしたの? てか、ひとりで帰るからね」

さり気なく、どさくさに紛れて発した私の言葉を「それは無理」と普通に却下した彼は、目の前に出した手をヒラヒラさせる。

「貸して」

――スマホ?

何だかよく分からないけど……。

「急いで。兄貴来るし」

急かされて、慌ててカバンから取り出したそれを、彼に手渡す。

それを「サンキュー!」と受け取ると、時々首を傾げながらも何やらポチポチと画面をタップし始めた。

「何してんの?」

彼の手の中を覗き込もうとした瞬間。

「ほい」

私の手に、戻ってきたスマホが握らされる。

画面を見ると、知らない番号が表示されていた。