きせき



正樹が角を曲がり、視界から消えた瞬間、私はその場にしゃがみ込んだ。

本当は、もう立っているのも無理だった。

小さな呼吸を繰り返し、嗚咽が漏れないように口元を押さえる。

そして、正樹の背中には届くことのない声で小さく呟いた。


「ごめん、ウソだよ……っ。私も大好き。頑張ってね、正樹」