「それはどう考えても、お前の“優しさ”だーろが」
「……」
“優しさ”……?
想像もしていなかった後藤さんの一言に驚いた俺は、何も言えないまま顔を上げる。
「彼女とのことは俺が口を挟むことじゃねぇけど、チームのことに関して言えば、お前は十分過ぎるほどよくやってくれたよ」
「……」
「うちには俺もいるし、桜井も慶介もいる」
そこで一旦言葉を止めた後藤さんは、楽しそうに笑いながら言ったんだ。
「お前がいない所でってのは不本意ではあるけど、そろそろ俺にも得点王狙わせろよ」
「――……っ」
いつも通りの口調でポツポツと紡がれるいくつもの言葉に、後藤さんの物凄い優しさを感じて……。
少し視界が滲んだ。
「向こうに行って活躍して……。やり切ったと思ったら、またうちに戻ってこいよ」
追い打ちをかけるように、そんなことを言うから――……
「……」
「泣くなよ、航太ぁー」
どうしても堪え切れず、涙が零れてしまったんだ。
そして大きく息を吐き出した俺は、後藤さんの目を真っ直ぐ見据えながら口を開いた。
「後藤さん、俺行きます」
「そっか。頑張れよ」
少し笑ってかけられたその言葉に力強く頷いた俺は、もう一度口を開いたんだ。
「後藤さん、もう一つ聞いてもいいですか――……?」

