「もう一つの選択肢……か」
ソファーに座ったまま天井を見上げて、ポツリとそう呟く。
できることならその選択を選びたいと思っている、身勝手な俺の頭に浮かぶのは――……
あの日、仕事が楽しいかと聞いた俺に“楽しいよ!”と、笑顔で答えた美青の顔。
なぁ、美青。
俺は、自分の人生にお前をどこまで巻き込んでいいのかが分からないんだ。
――でも。
「離れたくねぇなー……」
上を向いたまま吐き出された、絶対に人に聞かせることのない俺の情けないその言葉は、ひとりで過ごすには広すぎる薄暗い部屋に、静かに吸い込まれるように消えていった。

