きせき


「電話?」

「おー……」

慌ててテレビを消した俺に、

「……」

「ん?」

「なんか、あった?」

美青の心配そうな瞳が向けられる。

「美青」

「うん」

俺の横に腰かけた美青の髪にまだ少し震えている指を絡ませ、その身体を引き寄せると、彼女の小さな体を自分の腕の中に閉じ込めた。

――その瞬間、ふわりと香る美青の優しい香り。

「ちょっとだけ、俺の話がテレビで流されてる」

「え?」

「別に大したことじゃない」

「……」

「ただ、もし何か見たり、聞いたりしても」

「うん」

「美青は、俺の言葉だけを信じて」

そう言って、抱きしめる腕の力を強めた俺に、

「わかってる」

「……」

「航太は、なにかあったら絶対に話してくれるもん。だから私のことは心配しないで」

そんな風に言って、笑ってくれるから。

さっきまで嫌な音を立てていた心臓が、ゆっくりと落ち着きを取り戻して、いつもの音に変わっていくんだ。