きせき


「やっ……ぁ、」

漏れ出てしまう声に恥ずかしくなって、自分の手の甲で唇を塞ぐ。

そんな私に、何度も囁かれる航太の優しい声。

「美青」

「ん……」

「声、ちゃんと聞かせて?」

そう言って私の手を取り、押さえ付けた航太は、再び私の首筋に顔を埋め、ゆっくりとそこに舌を這わせる。

部屋の隅にある間接照明だけが灯された薄暗い部屋には、私と航太の少し荒い息遣いが響く。

「――……ンっ」

「美青、いい匂い」

間近で囁かれた時に感じる熱い息だけで、私の体はビクリと震えてしまう。

ゆっくりと私の体を撫でる航太の手の温もりで、自分の体が信じられないくらいの熱を帯びていて。

「航太――……」

少し怖くなった私は、思わずその名前を口にしてしまう。

「ん……」

何度もくり返されるその行為に、ゆっくり私の顔を覗き込む航太の瞳。

「……っ」

それがあまりに綺麗で、思わず息を呑んだ。

「美青……可愛い」

そう言って、またゆっくりと私の体に触れるから――……

私の体はもっともっと熱くなって、切ないくらいに航太を求めてしまう。

「美青」

何度も何度も、愛おしそうに、大切に紡がれる私の名前。

「――……っ」

それが嬉しくて、幸せすぎて。

涙が頬を伝う。

そんな私の涙を濡れた瞳で見つめた航太が、そっと涙を拭って。

「もう離れないで――……」

優しく切なげに、そう囁いた。

「ん……っ」

それを聞いた私は、ますます涙が止まらなくなってしまうんだ。

言葉では言い表せないくらい、愛しすぎて、胸が苦しくて。

幸せすぎると胸が痛んで、こんなにも涙が零れてしまうのはどうしてなんだろう?

あなたがいない世界なんて考えられないくらい、こんなにもあなたが、愛おしい――……。