きせき


「シーツ、濡れちゃうよ……?」

「いいよ、そんなの」

「でも……っ」

「黙って」

そこまで言った私の唇を、キスで塞いだ航太。

お風呂から上がると、航太は私の体をタオルで包み、信じられないくらいの力で抱き上げた。

「ちょ……っと! 航太!」

「あ?」

「お、重いからっ!!」

「こんなちっこいのに、重いわけねぇし」

そう言ってからかうように笑ったあと、寝室のベッドの上に、髪も体も濡れたままの私をそっと降ろしたんだ。

唇を塞いだまま、私の頭に手を添えて。

更に深いキスをする航太の胸にそっと手を置いた。

「……」

その瞬間、ゆっくりと離された唇。

至近距離で目を合わせた航太が、なぜか少し心配そうに口を開いた。

「……平気?」

「え?」

「手、震えてる」

そう言って、航太の胸に添えた私の手を握る。

自分でも気付かなかった。

でもこれは――……。

「ちょっと緊張してるだけ」

困ったように笑う私の髪を、ゆっくりと撫でた航太は、

「俺も」

ポツリとそう呟いて目を細め、ちょっと恥ずかしそうに笑ったんだ。