きせき


しかも、その映画は3部作の最終作で……。

「私、それの第1部と第2部を観ていないんですけど」

『だろうね』

「は?」

『いや、こっちの話』

「……」

やっぱり、なんか変。

『1と2、うちにあるから、明日仕事のあと、うちに来てそれを観ながら待ってて』

「え?」

『俺、練習でちょっと遅くなるけど』

――それって。

『そのまま泊まって、次の日一緒に映画行こ』

「……」

『何……?』

「――……っ!! あはははっ!」

『なに笑ってんだよ』

「だって、そんな口実なくたって行きますけど?」

『うっせーなっ!!』

きっと電話の向こうの航太は、頭を抱えながら顔を赤くしてるから。

それを想像して、しばらくひとりで笑い続けた私に、

『でも、映画はホントに行くから、ちゃんと観とけよ!!』

と、ちょっと笑いながら念を押したんだ。