きせき


当の美青はというと――……。

「もう恥ずかしくて、みんなの顔見られないよ……」

涙目でそう言ってホテルに戻ってから速攻で仕事を片付けて、しばらく部屋に閉じこもっていた。

あの後、気を遣っていなくなったと思っていたバカ稜が、

「航太と美青ちゃんのラブシーン見れるぞっ!!」

なんてことを言って、ロッカールームからみんなを連れてきていて。

やっと顔を上げた美青に、俺がそっとキスをしようとした瞬間、マンガのように、通路の曲がり角からドヤドヤと人の山が崩れ落ちた。

「お前ら子供かっっ!!」

そんな突っ込みを入れる俺とは対照的に、顔を真っ赤にして固まってしまった美青。

結局美青は、夕飯の時間に観念してソロリと出てきたところを発見されて、案の定、チームのみんなに散々からかわれていた。

救いを求めるような、縋るような目でこっちを見てきたけど――……。

「航太のどこがいいの?」

という、キャプテンの質問の答えを聞いてみたいと思ってしまった俺が、美青をちょっと放置してみたところ、

「えぇぇっっとぉぉーーー……っ」

顔を真っ赤にしながら“早く早く~”なんてみんなに答えを急かされた美青が出した答えは……

「よくわからないです」

そんな軽くショックを受けるような答えだった。

だけど、それを聞いて爆笑したみんなに、

「よくわからないけど、それでも離れたくないって……ずっとずっと一緒にいたいって思うんです」

ちょっと笑いながら、そんなことを言うから。

「はぁー……」

ため息と共に、俺は思わず、頭を抱えてテーブルに突っ伏した。

頼むよ美青。

だってさ、こんな情けない顔は誰にも見せられないだろ――……。