きせき


たくさんのカメラが並び、パシャパシャとフラッシュが焚かれる中、マイクを持ったインタビュアーの隣に立つ。

「宮崎選手に来て頂きました!」

その声に、大きく湧き上がる歓声。

「まずは、本日の試合を振り返っていかがですか?」

「負けたことは、本当に悔しいです。でも、必ず次につながるものだと思うので……」

「しかし、全日本史上、初のベスト4……。改めて、本当におめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください!」

正直、話すのはあんまり得意じゃない。

だけどここ数年で、胸の中の気持ちをきちんと伝えたいと思えるようになった。

「ここまで、全員で必死に頑張ってきたので、素直に嬉しいです」

「今のお気持ち、一番……誰に、どんな言葉で伝えたいですか?」

「……」

“誰に”、“どんな言葉で”?

「宮崎選手?」

――そんなの、決まってる。

視線を向けた先には、また号泣している美青の姿があって。

カメラの前にもかかわらず、つい頬が緩んでしまう。

小さく息を吐き出した俺は、ゆっくりと口を開いた。

「スタンドで――……」

「え?」

「スタンドで号泣してる、大切な彼女に」

俺のその言葉に、少しざわついた会場。

「たくさんの“ごめん”と、それ以上に、たくさんの“ありがとう”の言葉を伝えたいです」

美青。

これが俺の、君への気持ち。