震えだす指を抑えるように、爪が食い込むほど強く手を握りしめる。
お願い、航太。
勝って――……。
祈るように心の中でそう呟いた瞬間、航太がゆっくりと顔を上げ、
「……っ」
向けられた視線がぶつかる。
ドクン。
それまで以上に、大きく跳ねる心臓。
きっと、ほんの一瞬だったのに。
まるで時間が止まったような、そんな感覚に襲われる。
驚いて目を見開く私を見て、一番緊張しているはずの航太はフッと笑って。
こんな時に、そんな顔するなんて……反則だよ。
視界が涙で滲んでしまうから、一度ぎゅっと目を閉じて、一つ深呼吸をしてから、ゆっくりと開く。
航太は、こんなにも頑張ってる。
だから私は、絶対に目を逸らしちゃいけない。
空を見上げた航太が、大きく息を吐き出して、目を閉じ、拳を胸に押し当てる。
次の瞬間、開かれた航太の目には何の迷いもなく、むしろ楽しそうにキラキラと輝いていたんだ。
――大丈夫。
その表情を見て航太のゴールを確信した私は、静かに微笑んだ――……。

