きせき


“ワァーーー!!”

PK戦に入ってから、一番大きな歓声がスタジアム内に響いた。

目の前には、ゴールの前でガッツポーズを決めるキーパーの森田さんの姿。

「やったぁっ!! 佐藤さん、止めましたよっっ!!」

「すごいっ!! 森田君えらいっっ!!」

大喜びする私たちの目に映った、次の日本のキッカーは川崎君。

「……っ」

あぁ、やっぱりそうなんだ。

一歩前に出た川崎君が、何かに気付いたようにゆっくり後ろを向いて、航太に声をかける。

ドクン。

「やっぱり宮崎君が5本目みたいだね」

ドクン。

やっぱり最後のキッカーは――……。

佐藤さんの言葉に、心臓が痛いくらいに大きく軋んだ。

まるで、“何でもない”と言わんばかりの表情で、力強くボールを蹴り出した川崎君のゴールが決まり、これで得点は4-3。

次で、相手のキッカーが外すと日本の勝利は決まって、航太の出番はなくなる。

「……」

見つめるピッチの上では、無情にも相手のゴールが決まり、また一段と大きくなった歓声。

心臓が壊れそう……。

「やっぱり宮崎君だよね」

佐藤さんの声に上手く答えられずにいる私の瞳には、仲間たちのもとからゆっくりと歩み出す航太の姿が映っていた。