きせき


「航太ーーー!!」

「よくやったっっ!!」

軽い放心状態だった俺に、駆け寄ったチームメイトがどんどん飛び掛かってきて、気付けばもうよくわからないくらいに揉みくちゃにされていた。

喜びの声を発したいのに、

「痛ってーっっ!! ちょっ……マジで痛いんですけどっ!!」

抱きつかれ、髪をぐしゃぐしゃにかき回される俺の口をついて出るのは、あられもないそんな言葉。

だけど込み上げる喜びは、信じられないほど大きくて。

本当に久しぶりに、ピッチの上で思い切り笑うことができたんだ。

地鳴りのような歓声が続くスタジアム。

チームのメンバー全員と抱き合って、喜びを分かち合ったあと、スタンドのサポーターに向けて全員で拍手を送る。

大きく振られる日本の旗、掲げられた横断幕。

そのすべてを目に焼きつけたくて、立ち止まり、ゆっくりと周りを見回した。

その瞬間湧き上がる“宮崎コール”に、どうしようもなく熱いものがこみ上げたんだ。

さっきよりも、もっともっと強く確信する勝利。

――サッカーを続けてきて、本当に良かった。

そう思うのと同時に、どうしても今のこの気持ちを美青に伝えたくなった。

なぁ、美青。

美青に話したいことが、こんなにたくさんあるんだ。

見上げる俺の視線の先には、ポロポロと涙を流す美青と、慌ててそれをなだめる佐藤さんの姿。

さっきまでの笑顔はどこいったんだよ。

クスッと笑いが洩れて、その子供のような無垢さに、心が温かさでいっぱいになる。

――美青?

俺がこうしてここに立っていられるのは、お前のおかげだってちゃんと解ってる?