きせき


俺には技術なんてきっとない。

だけど、ここまで生き抜いてきた、強い気持ちは持っているはず。

目をつぶり、下を向いた俺は、握った拳で胸を二度、“トントン”と叩く。

ゆっくりと目を開き、視線を上げてキーパーを見据え、数歩後ろに下がって助走を付けると……

大きく、力強く、自分の左足を振り抜いた。