きせき


「航太?」

「おー」

「“約束”!」

「え?」

「“約束”……しようよ」

「……」

「勝ったら、キスでも何でもしてあげる」

電話越しの美青はそう言って恥ずかしそうに、だけど、ちょっと楽しそうに笑ったんだ。

それは昔、俺と美青が交わした約束。

心臓がトクントクンと、信じられないくらい優しい音を立てるから。

「……」

「……航太?」

少し不安げに俺の名前を呼んだ美青の元へ、今すぐ会いに行って、思い切り抱きしめてキスがしたいって……

そんな風に、強く思ってしまう。

「ばぁーか」

「はぁっ!?」

美青のその反応に、笑いを噛み殺した俺は、

「覚悟しといて」

今は優しい声で、そう囁くだけ。