きせき


“最高の愛情表現”

その言葉を聞いた瞬間、なぜか会社の小泉さんの言葉も頭の中に蘇ってしまって。

赤くなった頬に手を添え、そこをこっそり隠した。

きっとそんなこと、お見通しの正樹は、いつも通り、まるで何事もなかったかのように話題を変える。

「そういや、スタンドで試合観るんだって?」

「あー、うん。しかもいいお席で、佐藤さんと」

「いいお席かよ~。で、佐藤さんって?」

「栄養士の」

「あーはいはい。あの可愛らしいおばちゃんね」

「そうそう。可愛らしい佐藤さん。もう私たちは仕事をほとんどやり尽くしましたからねー」

「いいなぁ。俺なんか、これから本番だよ」

そう言って、げんなりとした表情を浮かべる。

「でも、正樹はスタンドで観たいなんて思ってないんでしょ?」

それに笑いながら言葉を返す私に、彼はふわりと笑って。

「よく解ってんじゃん」

そう言ったあと、“さて、そろそろ戻るかな”と、再びみんなの元へ戻って行ったんだ。