きせき


ドクン。

また心臓が変。
なんか、おかしい。

さっきからよく分からない動きをする心臓に戸惑い、思わず俯いた私の瞳に、昨日、宮崎航太に渡されたジャージが入っている袋が映る。

そうだった。
これを返しに来たんだ。

自分の心臓がおかしいのを、半分誤魔化すように、「あの、そう! これ!!」なんて言いながら持ち上げたその袋を、手渡す。

だけど、それを受け取った宮崎 航太が口にしたのは、

「お~! 忘れてた!」

そんな言葉だった。

ん?
“忘れてた”?

――ってゆーか。

ジャージ、はいてるじゃん!!

視線の先には、昨日洗濯したジャージと同じデザインのジャージ。

「ジャージ、あるじゃん」
「うん、あるよ。あと3着くらいは」

信じられないことに、目の前のその人は、そんな言葉をケロッと言い放つ。