「んー……」
窓から差し込む太陽の光で目を覚ました私は、自分がどこにいるのか一瞬わからなくて、ゆっくりと周りを見回した。
「……」
そっか……。
ここは航太の部屋だ。
それにすぐに気が付いたのは、ふわりと香った航太の匂いのせい。
心地よいその香りは、いつも私の胸をキュンとさせる。
それに、一人の時とは明らかに違うベッドの温度。
私の隣には、未だにすやすやと眠り続けている航太の姿があった。
変わることのないその無防備な寝顔に、笑いが漏れる。
「朝ですよ~……」
起こすつもりもなく、小さくそう呟いた私は、ゆっくりと手を伸ばして航太の少し癖のあるその髪にそっと指を絡ませた。
「子供みたいな寝顔しちゃって」
それでも目を覚まさない航太に、ちょっと笑いながらそう口にした瞬間、
「……っ!!」
寝ていると思った彼の手が、私の手をパッと掴んだ。
「……子供って誰のこと~?」
驚いて見開く瞳の先には、ベッドに頬杖をついて私を見上げ、いたずらっ子のように笑う航太がいた。
「お、起きてたの!?」
「いや、今起きた」
寝起きの少し鼻にかかった声でそう言うと、
「ん~!!」
大きくひとつ、伸びをして。
「おはよ」
笑いながら私の顔を覗き込む。
「……おはよう」
何年か前までは、これが当たり前だったはずなのに。

