「ふー……」
気を取り直して一つ大きく息を吐き出した俺は、バッと顔を上げた。
「もういい。寝る」
「はっ!? 試合観ないの!?」
驚きの声を上げた美青にチラッと視線を向ける。
「明日観る。今日は寝る」
「えっ!? なんで急に!?」
「俺、今日何かおかしいし。これ以上起きてると、また変なことが起きる」
「えぇ、なにそれー……。せっかくの解説付きだったのに」
不満げに唇を尖らせるけど、今日はホントに無理だ。
「ほら! もー寝るぞ」
膝を抱えるように組んでいた手を掴んで引いた俺に、美青は驚いた様子を見せる。
「大丈夫。情けなさすぎて、もう何もする気が起きないから」
笑いながらそう言った俺を、じーっと見つめた美青は、持ってきた毛布を無言で持ち上げ、黙って俺にその手を引かれて寝室に入ったんだ。

