きせき


胸の中に湧き上がるこの気持ちは、一体何なんだろう。

「……」

無言になった俺を、覗き込む美青。

「航太? どうかした?」

「いや、何でもないよ」

――俺は美青のその一言で、昔、彼女に言われた言葉を思い出していたんだ。

“このピッチの上でプレーしてる時って、どんな気分?”

“私には、一生かかっても経験できることじゃないの”

何だ。

ちゃんと繋がっているじゃないか。

さっきまでは、一度は離れて途切れてしまった時間を、少しでも埋めたいと思ってた。

でも、違うんだ。

離れていても、俺たちはきっと、ずっと繋がっていて。

“昔”と“今”を切り離すことなんて、できるはずがなかったんだ。

それに気付いて一人で笑った俺に、一瞬驚いたような視線を向けた美青は、

「思い出し笑いする人って、エロいんだよ」

クスクス笑いながらそう言った。

「おー。エロくて結構」
「あっそ」

「ちょっと待ってて。コーヒー……は目ぇ覚めるか。ホットミルクでいい?」

だいぶ冷えてきたし、何か温かいものでも飲もうと思って、一旦DVDを止めて立ち上がる。

「あ、ごめん! 私やるよ!」

「いや、いいよ。たまにはキッチン使ってやらないとねぇ」

「あははっ! じゃーお願いします」

「あははっ!」と笑って毛布に顔を埋めた美青をソファーに残し、キッチンに立った俺は、二人分のホットミルクを入れて、もう一度ソファーに座り込む。

「ありがと」
「おー」

そのまま、再生ボタンを押した。

「この時は――……」
「えっ?」

動き出した画面を見据えながらそう口にした俺に、驚いた顔で向き直った美青。

「解説しろって言ったじゃねぇかよ!!」

「えっ!? 本当にしてくれるの!? 豪華すぎる!!」

豪華すぎるってなんだよ。

よく分からない言葉を口にしながら、嬉しそうに笑った美青を見て、思わず噴き出してしまう。